英語講師なら知っておきたい!学習者の理解度を深める魔法の質問:「どこがわからないの?」 vs 「どこまでならわかる?」

東京のオンライン英語教室Yamatalk English®スタッフの大和真美です。当教室では、イギリス人ネイティブ講師David Watkinsが、ジョリーフォニックス公式トレーナーとして、子どもたちに楽しく効果的な英語レッスンを提供しています。

英語学習者の皆さんを教える英語講師にとって、常に頭を悩ませるのが「生徒さんがどこまで理解できているのか?」という点ではないでしょうか。

レッスン中、生徒さんの様子を注意深く見ながら、「ちゃんと伝わっているかな?」と、質問を通して理解度を確認しようとすることが多いですよね。そんな時、先生によっては「どこがわからない?」とか「どこまでならわかる?」といった質問をすることがあるかもしれません。

実はこの二つの質問、どちらも理解度を確認するという目的は同じでありながら、相手に与える印象や引き出せる情報には大きな違いがあるのです。今回は、英語講師として生徒さんの理解をより深く、そして効果的に引き出すための質問スキルについて掘り下げていきましょう。

ストレートに核心へ迫る「どこがわからないの?」

ニュアンス:

この質問は、学習者が理解できていない具体的な箇所を特定しようとする、直接的なアプローチです。まるで照準を合わせてピンポイントに課題を見つけ出そうとするようなイメージです。

しかし、この直接的な性質が、聞き方によっては生徒さんに「理解できていないこと」を直接指摘しているような印象を与えかねません。特に、内容が難解に感じられたり、自分の理解に自信がない生徒さんの場合、プレッシャーを感じて委縮してしまう可能性があります。

また、生徒さんが「どこがわからないのか、自分でもはっきりわからない」という状態の場合、この質問にすぐに答えることができず、さらに困惑させてしまうこともあります。そして、指摘された一部分についてのみの回答になりがちなため、生徒さんの全体的な理解度を把握するには少し困難が伴うかもしれません。

相手への影響:

  • 「自分は理解できていないんだ…」とネガティブな感情を抱きやすい。
  • 具体的にどこから質問すれば良いのか戸惑ってしまうことがある。
  • 質問すること自体に抵抗を感じてしまう可能性がある。

適した場面:

  • 生徒さんから具体的質問が出ている場合や、特定の箇所について再度説明を求めている場合。
  • 講師と生徒の間にある程度の信頼関係が築けており、生徒さんが率直に自分の弱い部分をオープンにしやすい状況。
  • 授業時間が限られており、ピンポイントで課題を素早く把握する必要がある場合。

安心感を与え、理解の土台を探る「どこまでならわかる?」

ニュアンス:

一方、「どこまでならわかる?」という質問は、生徒さんが理解できている範囲をまず確認し、その上で理解が難しいと感じている部分を間接的に把握しようとするアプローチです。

この質問の重要なポイントは、生徒さんの「わかる部分」に焦点を当てている点です。「ここまでなら理解できている」という肯定的な事実に意識を向けることで、生徒さんに安心感を与えやすく、ポジティブな印象を与える傾向があります。

生徒さんは自分の理解度に合わせて答えやすく、「〇〇までは理解できたのですが、その後の△△が少し…」のように、どこから説明が必要なのかを自分の言葉で伝えやすくなります。また、生徒さんの説明を聞くことで、講師は生徒さんの全体的な理解の進捗や、どの部分に困難を感じているのかをより広い範囲で把握することができます。

相手への影響:

  • 「自分にも理解できている部分があるんだ!」と感じやすく、安心感や自信につながりやすい。
  • 自分の言葉で理解できた部分を説明することで、知識を整理し、定着させることができる。
  • 質問することへの心理的なハードルが下がりやすい。

適した場面:

  • 生徒さんの全体的な理解度を把握したい場合、特に新しい概念や文法を導入した直後など。
  • 生徒さんが内容を難しく感じている可能性があり、心理的な負担を軽減しながら理解度を確認したい場合。
  • 生徒さんのペースに合わせて、まず理解できている部分から丁寧に説明を進めたい場合。
  • 生徒さんとの信頼関係を築きながら、オープンなコミュニケーションを通じて理解度を確認したい場合。

英語講師として意識的な質問の使い分けを

どちらの質問が常に正しいというわけではありません。大切なのは、生徒さんの性格、講師との関係性、授業の状況、そして質問の意図を考慮し、より適切な質問を選択することです。

自信があり、積極的に質問するタイプの生徒さんには、状況によって「どこがわからないの?」が直接的で効果的な場合もあるでしょう。しかし、大多数の生徒さん、特に学習初級レベルの方や、内向的な性格の方には、「どこまでならわかる?」の方が安心して自身の理解度をオープンにしてくれる可能性が高いと言えます。

さらに効果的な質問の例

生徒さんの理解をより深く引き出すためには、上記の二つの質問に加えて、以下のような質問も非常に効果的です。

  • 「ここまで説明しましたが、何か疑問に思う点はありますか?」 (オープンな質問で、生徒さんが自由に質問しやすい雰囲気を作ります。)
  • 「〇〇について、あなたの言葉で説明してもらえますか?」 (生徒さんの理解度をより深く、具体的に確認できます。)
  • 「もしよろしければ、ここまでで理解できた部分と、少し難しいと感じた部分を教えていただけますか?」 (心理的な負担を減らしつつ、具体的な課題を把握できます。)

英語講師として、私たちは単に知識を伝えるだけでなく、生徒さんの学びを最大限にサポートする促進者でありたいですよね。意識的な質問の選択は、生徒さんの理解を深め、自信を高め、そして学習へのモチベーションを向上させるための重要なスキルになります。

今日から、いつもの質問を少し見直し、生徒さん一人ひとりに寄り添った、より効果的な質問を心がけてみませんか。

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